たら走る

マラソン・トレラン中心の雑記ブログ

第4回 (2019)トレニックワールド in 彩の国 100km 完走 (No.3)

 

 引き続き完走記を書いていきます。

 

 

ニューサンピア~桂木観音

southコーススタート。

カレーを4杯も食べたのと、50分間の休憩で元気爆発!

足が止まらない。前へ前へと進む。

ニューサンピアからしばらくロードが続く。途中で花火が上がっていたので、パシャリ。我々を応援するための花火ではないようだ。

お相伴に預かろう。きれいだ。


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トレイルに切り替わり、初めてのナイトランの開始!初めてで緊張したけど、ヘッドライトLedlenser H8R のお陰で、昼と同じように走れることにびっくり。大会直前でBlackDiamond Stormからの買い替えをしたけど、大正解だった。

Ledlenser H8R は出力中でStormと同等の明るさで、照射範囲は10倍くらい広い。同社製のMH10というトレラン・登山用の同社製品は、同じ性能でケースとフィルタがついているだけなのに倍ほど値段が高い。買うなら工業用で発売されたH8R が断然お得。

こんなに買ってよかったものって久々だな。

 

明るくて眩しいくらいだ。


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ナイトランになるであろう区間は、すべて試走している。

だか、周囲が暗いせいで、自分がどこにいるのかわからず、ピンとこない。

ときどき分かりにくい方向表示に惑わされたりする。うーん、試走必要ないな。

 

快調に走り、吾野神社到着。

サンドイッチとウィンナーをいただき、すぐにスタート

飲み物もいただきたいところだったが、マイカップがないことにここで気付く。絶望。

 

・・・経過時間12時間4分

 

 

桂木観音~吾野神社

意気揚々とスタートしたものの、だんだんと疲れが戻ってくる。

当たり前か。

試走では、一本杉峠のピークまで、そんなにきつくない登りだったように記憶していた。だが、疲れがたまった体には急坂に感じる。やっぱり試走の意味がない・・。

 

女性が辛そうに登っていたので、

「大丈夫ですか?」

と声をかけてみたが、返事がない。

「あー、大丈夫じゃないですね。」

と再度声をかけると笑っていた。きっと大丈夫だろう。

 

先に行かせてもらった。

一本杉峠を過ぎてからは、淡々と走る。

 

吾野神社到着。たくさんの人がブルーシートに横たわっていた。その様は、収容を待つ死体のようだ。元気な人は少ない。みんなギリギリの戦いをしているのがうかがえる。

 

ここではクリームチキンシチューが振る舞われている。牛乳を飲むとおなかを壊す私としては、食べるわけにはいかない。もちろん、予めクリームシチューが振る舞われることは知っていた。わかっていた。でも、温かいものが食べたくて仕方なかった。

ぐっとこらえる。

疲れが増したようだ。

 

時計を見ると、14時間50分経過していた。目標タイムは26時間以内でゴールとしていた。去年のリザルトから、26時間以内に走れば、完走者のなかで真ん中以上の順位になれそうだったからだ。だが、現時点で24時間以内でゴールできるんじゃないかと思い始めた。

 

10分ほど休憩して、再びスタート。

 

 ・・・経過時間14時間49分

 

吾野神社~竹寺

吾野神社からロードに降りる際に急な階段がある。前方の走者は、手すりにつかまって、ゆっくりと下っている。背中には17と大きく書かれたTシャツを着ている。17の彼は、既に5回以上はすれ違っているだろうか。似た走力を持っているのだろう。負けたくないと思っていた。そんな彼が、まともに階段を下れないでいる。

 

チャンスだ。

 

・・・・。

 

階段を一歩下って絶望した。休憩で足が固まって、力が入らなくなってしまっているのだ。

17の彼は、するすると下っていく。

彼以上にのろのろと階段を下る私。

捕まえかけた背中は遠のいていく。

さよなら、17。また会おう。

 

さて、天覚山の登りだ。試走の時は、そんなに辛くなかった登りだ。それなのに、やっぱり急坂に感じる。試走は気持ちを萎えになっているのではないだろうか。

 

後ろから人が来たので声をかけた

「前にでますか?」

「いや、このままついていかせてください」

「わかりました、一緒に進みましょう。ただ、私も辛くなってきたので、ペースを落とします。」

「おねがいします」

このときSさんと出会った。

Sさんはとても気さくな方で、お互いトレイルの100kmは初めてだったこともあり、話をしながら進んだ。走力が近いらしく、お互いが気持ちのいいペースで走れているらしい。

暗闇で近くに人がいてくれるのは心強いことだなと実感した。

 

とてつもなくゆっくりとしたペースで、ゾンビのようにのろのろと坂を登っているのに、辛い。だが、私は知っている。次のエイドには豚汁があることを。豚汁好きにはたまらない。まってろ、豚汁。

 

ロードに出た。エイドまでもうすぐかってところで、薄暗いヘッドライトで走る方を発見。

「ライト暗くないですか?」

「あっ、替えの電池もってきてたんですけど、すぐに電池切れちゃって。もうすぐ夜明けだし、それを待ちます」

「危なくないですか?後ろから足元てらしてるんで、それで進みましょうよ。」

「いやぁ、悪いですよ」

「大丈夫です。行きましょう」

今度は暗闇を進むKさんと出会った。

エイドはもうすぐですかね?なんて会話をしてると、遠くから「ピヨピヨ」と聞こえる。エイドに設置された、タイム計測する機械からするけたたましい音だ。

もうすぐだ!

この区間は本当につらかった。

Kさん、Sさんと共に竹寺エイドに到着した。

 

Sさんは我先にタイム計測をした。

Kさんはお先にどうぞと、タイム計測を譲ってくれた。

うん、少しの間一緒にいただけなのに、性格でるなと思わせる出来事だったな。

 

念願の豚汁。稲荷寿司もある。稲荷寿司が食べやすくなるかなと思い、豚汁に稲荷寿司を2個入れて食べた。美味!しかも傷ついた胃に優しい。

 

Sさんは、女性と楽しそうに会話をしている。

Kさんは、早々に出発するとのこと。

「わたし、遅いので先に行きます」

と謙虚な発言。

しかも、ライトのお礼にと、グミをくれた。胃がやられて食べる気がしないのだとか。

私はここでもPPIを飲んでいたので、もう一杯稲荷寿司入り豚汁を食べた。

出発しようとSさんを見たら、まだ女性との会話で忙しそうだ。

さみしくなるが、ここでお別れだ。

「先にいきますね」

一言告げて、先に進んだ。

 

 

 ・・・経過時間18時間42分

 

竹寺~高山不動尊

またもやのろのろと登りを進む。

子の権現に到着するも、巨大な風神雷神像(?)を通り過ぎた記憶が無い。

写真はこちら↓

www.tara-blog.com

 

 

下りが続く。あたりが明るくなり始める。

眠たくて意識が朦朧としてきた。太ももの筋肉が言うことを聞かない。膝が笑っている。走り方がよくわからない。

木が人に見える。

石が人に見える。幻覚ってやつか?

 

 

自分がなにをしているのかよくわからない。

 

東吾野駅まで下り、そしてすぐに登り返す。ここからは2回試走した区間だ。ナイトランになると思って試走したのに、既に明るい。そして、ここからゴールまでの距離も2回走っただけあって、良く知っている。まだまだゴールまで遠いのだ。

 

ますます意識が朦朧としてくる。限界だ。

さっきまでコース脇でよく目にした死体もどき。私はあれになる。

 

地べたに座り込み、木にもたれ掛かかる。汚いとかそういう気持ちは微塵もなく、目を瞑る。数人が目の前を通り過ぎていく。一瞬だれかが立ち止まって去っていった。きっとSさんだな。と考えていたら、眠りに落ちた。

 

 

 

 

ふと目が覚める。

行かなきゃ。

いったい何時間寝たのだろうか、周囲には誰もいない。時計をみても時間が進んでない様に感じる。とにかく進もう。

意識がどんどんとはっきりし始め、体もうごくようになってきた。

我慢せずに寝るべきだったんだな。

 

突然エイドが現れる。あれ?もう高山不動尊か。

そこにはSさんがいた。

「よくあんなところで寝れるねw」

「みられちゃってましたかw」

「起こそうかまよっちゃったよ」

やっぱり、あのとき立ち止まってくれたのはSさんだった。

 

 

あれ?計測用リストバンドが無い。どこかで落としてきてしまったらしい。

ほんとに忘れ物ばっかりだな・・。いやになる。

エイドの方に事情を説明して、対処していただく。

 

うどんを1杯いただきエイドを出る。

Sさんには再び先に行くと告げる。

 

 

 ・・・経過時間22時間08分

 

高山不動尊~桂木観音

一度寝てからは走り方を思い出し、調子が良い。相変わらず太ももは痛いが、我慢できないわけではない。どんどん進む。

 

空腹を感じたので、持ってきたカロリーメイトを初めて食べる。

またカロリーメイトを食べる。

合計400kcalを接種した。むくむくと元気が出てくる。ジェルではこの元気が出る感じは味わえないのは個人の相性の問題だと思う。私の体にはカロリーメイトが合っている。ただ、ぱさぱさして食べにくい。

 

長い長い下りが続く。またふとももが悲鳴をあげる。でも、どんどんすすむ。こんなに足に負荷をかけてもつらないのは、ニューサンピアでの休憩時にコムレケを飲んだおかげか、ジェルに大量の塩を含ませておいたおかげか。どちらだろう。

 

17の彼が目の前に現れた。足を引きずるように歩いていて辛そうだ。だが、ここでパス。心のライバルを置き去りにした。

 

暫くすると、遠くにいるKさんが見えてきた。振り返っているので手を挙げて挨拶する。

「80~90kmは調子が良くて走ったせいで、今こんなだよ」

「グミいただきました(からっぽ)」

「胃が強いんだねぇ」

「いやぁ、たくさん薬のんでるんで・・・」

 

「僕、26時間切りたいんですけど、いけますかねぇ?」

「きみならいけるよ!」

「よし、じゃぁいこうかな」

 

ここから、ゴールまで本気で走った。

 

息も絶え絶え、桂木観音が見えてきた。 

エイドではタイム計測用リストバンドがないことを説明する。息絶え絶えで。

トイレに立ち寄り、団子串を1本手に持ちすぐにスタート。

 

 

 

・・・経過時間24時間2分

 

 

桂木観音~ニューサンピア

だんごを食べながら走る。うまい。

この区間は何人も人を抜いた。相当早く走れたのではないだろうか。

 抜く人、抜く人、見たことある人ばかり。みんな、同じようなベースで走っていたのだな。

 

もうすぐトレイルが終わるところで、後ろから100マイルの選手が駆け降りていった。速すぎる。ロードでこの選手を待ち受けていた大会運営スタッフがチャリで並走を始める。

チャリのスタッフが話しかけてくる。

「彼、マイルの1位だよ。」

なに、負けたくない!

全力疾走。すこしずつ背中が大きくなってくる。

ゴールまであと2km。

 

私は力尽きた。また背中が小さくなる。チャリのスタッフが面白そうに振り返って私を見た。悔しい。

 

悔しい気持ちを引きずりながら、とぼとぼゴール。

 

・・・経過時間25時間22分

 

 

ゴール後

やっと帰ってきた、ニューサンピア。もともとの目標を30分上回る快走。

安堵感につつまれる。

 

足をひきずりながら、荷物置き場の体育館へ。

入浴の準備をして、すぐさま大浴場へ向かう。

 

服を脱いで気づく。足の親指の爪が死んでる。ふくらはぎがアブに刺されて水玉模様になってしまっている。

そして足があがらない。眠たい。

 

お風呂に身を沈める。

体の痛みを上回る充実感。やったんだ、俺。

 

 

風呂から出て、のろのろと帰宅準備を進めているとSさんと会う。暗闇の中出会って話してたから、お互いの顔が良く分かってない。本人かどうか、お互いさぐりさぐりw

 

13時のバスはどうやら行ってしまったようだ。次のバスは14時。それまで50分ある。

ニューサンピアのロビーにあるソファーでゆっくりさせてもらう。今日は家に帰るだけ。時間はたっぷりあるんだ。

うとうとしたら、50分なんて一瞬に過ぎた。

 

14時のバスで越生駅へと向かった。